上田城にて 非道の限りを尽くした明智であったが、 長い幽閉によって抑えられてきた飢えは 未だ満たされはしなかった。 なおも渇きを癒そうと、 明智は毛利軍が陣営をはる 厳島へと入り込んだのであった。 |
明智光秀 |
「ふぅー、のどが渇きましたね。 いただきましょうか、血と涙を」 |
毛利元就 |
餓鬼道に堕ちたる貴様が何用か |
明智光秀 |
深紅に染まる海が見たくなりました 貴方も ご一緒にいかがですか? |
毛利元就 |
戯れ言を…生きて帰れると思うな |
明智光秀 |
ここはいい場所ですね…土産でも持ち帰りたい |
毛利元就 |
海の底にて塩水でも飲むがよかろう |
毛利元就 |
謀反をしくじり、なおも這い続ける…無様な |
明智光秀 |
端正なお姿、どこから刻んでみましょうか… |
毛利元就 |
下衆が…恐怖に屈する我と思うてか |
明智光秀 |
潮と血の混じり合ったこの香り…ハハハ! |
毛利元就 |
我が貴様を消し去ってくれよう |
明智光秀 |
残念です…貴方の水軍はもろすぎます |
毛利元就 |
我を侮辱するとは…貴様…! |
毛利元就 |
織田も情けない事よ、駒一つ満足に御せぬか |
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